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32歳で国家公務員をやめて自由になったパオが、”瞑想ライフハック”を実践するブログ

仏教マンガの傑作『阿・吽』。その不思議な魅力をお伝えします。

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エロティックでグロテスク、艶めかしくも死の香り漂う仏教マンガ『阿・吽』(あ・うん)。平安時代の仏教界の2人のヒーロー、最澄と空海にスポットライトを当てた傑作です。その魅力、ご紹介します。

 

 

 

 

仏教マンガの傑作!

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今日は、仏教マンガのご紹介です。

 

 

仏教マンガの傑作!

 

 

その名は、『阿・吽』です。

 

 

「あ・うん」と読みます。

 

 

作者は、おかざき真里さん。

 

 

おかざき真里さんといえば、レディースコミック『サプリ』『&-アンド−』などの作品が有名ですね。

 

 

イマドキのアラサー女子の日常を生き生きと描いてきたことで知られていますが、ここにきて作風が一転、なんと日本の仏教をテーマにしました。

 

 

舞台は平安時代。主人公は、最澄空海です。

 

 

作品の題材が、なぜこうも急旋回したのか、作者の動機が気になるところです。

 

 

仏教関連の数多くの著作で知られる評論家の宮崎哲弥さんは、季刊誌「サンガジャパン(vol.23)」の中で、この作品を、

 

 

「まだ未完なので最終的評価は控えるが、私見では傑作の予感がする」と評しています。

 

 

人物造形は巧み。それに残酷な時代相が非情に活写されているし、当時の仏教がどういうものであったかもちゃんと調べて描かれてある。目配りがとてもよくて、唯識などの教理の内容が手際よく織り込まれている。今のところ文句なしの展開です。

引用元:サンガジャパン Vol.23 特集この仏教書を読め!! 、株式会社サンガ、2016年

 

 

その魅力、お伝えしたいと思います。

 

 

最澄と空海、2人のコントラスト

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舞台は、平安初期の日本。奈良から京へ、都が遷される頃。

 

 

飢餓や伝染病が当たり前だった時代の、仏教がテーマです。

 

 

主人公は、最澄と空海。

 

 

最澄(さいちょう、766-822年)は、比叡山延暦寺を建て、天台宗の開祖として知られる人物。現在の日本仏教の宗派の多くは、この天台宗から派生しています。

 

 

空海(くうかい、774-835年)は、真言宗の開祖弘法大師として知られる人物です。彼の修行遍歴は、「お遍路さん」で知られる四国八十八箇所霊場などとして残っており、今なお人々の信仰を集めています。

 

 

日本仏教史上に名を刻む、超ビックネームですね。

 

 

さて、この作品の軸となっているのは、最澄と空海の、2人のキャラクターのコントラストです。

 

 

最澄はまじめで正義感が強く、まっすぐな性格ですが、泣き虫で弱いところもある。

 

 

空海は、満たされない心をどうすることもできずに、自らのカラダを限界まで傷つけるような性格で、非常に気性が荒いです。

 

 

最澄の話がA面、空海の話がB面のような感じで、コントラストを際立たせながら、物語が紡がれていきます。

 

 

こんな対照的な2人ですが、共通していたのは、並外れた知性と行動力

 

 

2人の異才は、やがて同じ方向を目指すようになっていくのです。

 

壮大なスケールで描かれるストーリー

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題材が最澄と空海ですから、ストーリーは壮大です。

 

 

最澄は、「天才」と評され出世街道を歩んでいましたが、当時の仏教界の腐敗を目の当たりにし、山にこもって修行する道を選びます。

 

 

しかし、最澄を慕う者は後を絶えず、彼の存在感はどんどん増していきます。

 

 

一方の空海も、既存の仏教に飽き足らず、自ら命がけの修行に身を投じます。

 

 

有名な土州室戸崎(現在の高知県室戸岬)御厨人窟(みくろど)の修行です。

 

 

このように、天才であったにも関わらず出世街道からドロップアウトした2人は、いつしか出会い、同じ場所を目指すようになります

 

 

 

 

当時の中国です。

 

 

日本の仏教を学びつくし、それでも満たされなかった2人は、仏教の真髄を求めて、命がけの旅に出ます

 

 

さて、この作品は、まだ未完です。

 

 

現時点(2019年2月13日)で、コミック第9巻まで発売されています。

 

 

この先の展開、待ち遠しいです。

 

 

艶めかしくも死の香り漂う世界観

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私がこの作品を読んで、ストーリーよりもさらにすごいと思ったのは、世界観です。

 

 

エロティックでありながらグロテスク

 

 

艶めかしくも死の香り漂う世界観とでもいったらいいのでしょうか。

 

 

平安初期、奈良から京へ、都が遷される混沌の時代が舞台です。

 

 

飢餓、流行病、また暴力が当たり前の世界。

 


1巻のページを開き、はじめにガツンとやられたのは、次のシーン

 

 

若い頃の最澄とお供が、山道を歩いています。

 

 

目の前に、かわいらしい小娘があらわれます。その小娘、なんと野グソをしています。

 

 

セクシーなカラダのラインが露わになっています。

 

 

最澄らと何気ない会話をして別れた次の瞬間、小娘は、山賊に首を切られます。

 

 

あたりに血が飛び散ります。

 

 

最澄らは、切られた首を必死に胴体につなぎ合わせようとしますが、どうにもなりません。

 

 

僧侶の祈りの力など、山賊の前ではあまりにも無力です。

 

 

このような出来事が、折に触れて、最澄の身に降りかかります。

 

 

生きるとは何か、死ぬとは何か、そして「救い」とは何か。

 

 

最澄は、このような問いと向き合いながら、自らの道を、進んでいきます。

 

 

この作品は、ストーリーもしっかりしていますが、それ以上に、感覚にうったえてきます

 

 

権力の腐敗や、人間の醜い心

 

 

露わになる女体流れる血といったシーンが多く、

 

 

それらのイメージが入り混じって、読者に迫ってきます。

 

 

本当に、飽きさせません。

 

 

おわりに

レビューしているこちらまでついつい熱くなってしまいます。

 

 

『阿・吽』

 

 

仏教に興味のある方はもちろん、興味のない方にもぜひおすすめしたいです。

 

 

絵のタッチは、線が非常に細かく、レディースコミック風なのですね。

 

 

この繊細なタッチは、最澄、空海、仏教といった重厚なテーマにミスマッチかと思いきや、

 

 

これが不思議に、よく合っているのです。

 

 

不思議な魅力を持った作品です。

 

 

興味を持った方は、とりあえず1巻だけでも読んでみることをおすすめします。

 

  

阿・吽(1) (ビッグコミックススペシャル)

阿・吽(1) (ビッグコミックススペシャル)

 

 

阿・吽(2) (ビッグコミックススペシャル)

阿・吽(2) (ビッグコミックススペシャル)

 

  

阿・吽(3) (ビッグコミックススペシャル)

阿・吽(3) (ビッグコミックススペシャル)

 

  

阿・吽(4) (ビッグコミックススペシャル)

阿・吽(4) (ビッグコミックススペシャル)

 

  

阿・吽(5) (ビッグコミックススペシャル)

阿・吽(5) (ビッグコミックススペシャル)

 

  

阿・吽(6) (ビッグコミックススペシャル)

阿・吽(6) (ビッグコミックススペシャル)

 

 

阿・吽(7) (ビッグコミックススペシャル)

阿・吽(7) (ビッグコミックススペシャル)

 

  

阿・吽(8) (ビッグコミックススペシャル)

阿・吽(8) (ビッグコミックススペシャル)

 

 

阿・吽 (9) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

阿・吽 (9) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

 

 

 

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