瞑想Hack

32歳で国家公務員をやめて自由になったパオが、”瞑想ライフハック”を実践するブログ

赤い薬を飲みますか?

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今話題の本「なぜ今、仏教なのか」(ロバート・ライト著)が面白かったので、紹介します。

 

 

 

 

赤い薬とは?

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赤い薬とは、映画『マトリックス』(1999年)で描かれるモチーフです。

 

 

主人公のネオは、自分の住む世界が夢の世界であることに気づきます。

 

 

ネオが現実だと思っていた世界は、実は精巧に作られた幻覚にすぎず、現実のネオの身体は棺桶大のポッドに捕えられ、夢を見せられていたのです。

 


そこで、モーフィアスという人物が、ネオに接触します。

 

 

モーフィアスはネオに対し、「妄想を生き続けるか、現実に目覚めるか」の選択を迫ります。

 

 

有名な「赤い薬」のシーンです。

 

 

ネオは、モーフィアスから差し出された「赤い薬」を飲み、現実の世界で生きることを選びます。

 

 


「なぜ今、仏教のなのか」の著者であるロバート・ライト氏は、仏教の考え方を、「赤い薬」になぞらえて説明しています。

 

 

仏教では、私たちが見ているこの世界は、幻覚とは言わないまでも、妄想と錯覚によってゆがめられているという考え方をします。

 

 

妄想と錯覚をもたらしているものは何か?

 

 

欲望です。

 

 

食欲、性欲、さまざまな社会的欲求が、妄想と錯覚を生み出し、私たちの行動をかりたてると考えます。

 

 

私たちは、棺桶大のポッドに捕えられたネオのように、欲望に支配された存在です。

 

 

欲望に支配された世界にとどまるのか?

 

 

それとも、赤い薬を飲んで、欲望から自由になるのか?

 

 

仏教的に考えれば、赤い薬を飲めば、欲望から解放され、洞察と自由の人生が待っているというわけです。

 

 

 

欲望の世界にいたい

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さて、あなたは赤い薬を飲みたいと思いますか?

 

 

赤い薬を飲むとはどういうことか。

 

 

かわいい女の子と手をつないで、素敵なレストランで一緒においしいワインを飲んで、そのあとホテルでエッチなことをするということを、やめるということですw

 

 

これが正しいことなのでしょうか?

 

 

私は、それが正しいことだとは思いません!

 

 

そして、著者のロバート・ライト氏も、そう考える一人です。

 

 

著者は、僧侶ではありません。
ジャーナリストであり、言ってみれば、「ふつうの人」です。

 

 

食欲も性欲も、否定的にはとらえていません。

 

 

 

それでも赤い薬を飲む意味とは?

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ただ著者は、そんな「ふつうの人」でも、仏教を実践してみる価値があると言います。

 

 

著者の仏教経験は、ヴィパッサナー瞑想合宿がベースになっているようです。

 

 

最近流行している、マインドフルネス瞑想の系統ですね。

 


著者は、瞑想合宿で、こんな体験をしたと言います。

 

 

瞑想合宿での体験


瞑想合宿4日目か、5日目のこと。

 

 

いつものようにクッションの上で足を組んで目を閉じていたところ、

足がじんじんしびれるのを感じた。

 

 

そしてほとんど同時に、外で鳥がさえずっているのが聞こえたそうです。

 

 

そして、奇妙なことに、外の鳥のさえずりが自分のものとは思えないのと同じように、足のしびれが、自分のものとは思えなかったそうです。

 

 

足のしびれを感覚として感じていながら、もはやそれを、自分のものとは認識していないということです。

 

 

これは、端的に言ってすごい体験だと、私は思います。

 


肉体に生じる、しびれ、不快感、痛みを、自分とは切り離してしまう

 

 

そんなことが、訓練によって可能になるということです。

 

 

 

ベトナム人僧侶の焼身自殺


加えて、著者はこんな話を紹介しています。

 

 

瞑想修行によって、耐えがたいはずの痛みを、全く意に介さなくなる人がいるのは、間違いないと。

 

 

1963年6月、ティク・クアン・ドックという名の僧侶が、仏教徒に対する南ベトナム政権の冷遇に反対する抗議行動をおこなった。ドックはサイゴン市内の通りにクッションをしき、結跏趺坐をとった。別の僧侶に頭からガソリンをかけさせたあと、「目を閉じ、ブッダの御前に向かう前に、ゴ・ディン・ジエム大統領にうやうやしく嘆願します。どうか国民に慈悲の心で接し、宗教の平等を実現し、故国の力を永遠にしてくださいと」と述べた。

 

そしてマッチに火をつけた。ジャーナリストのデイヴィッド・ハルバースタムは、この抗議行動を目撃し、つぎのように書いている。「僧侶は焼けながら、身じろぎ一つせず、声一つ立てなかった。その落ち着き払ったようすは、周りで嘆き悲しむ人々と際立って対照的だった

 

 

この僧侶は実際に焼け死んでいるわけですから、我慢で抑えられるような痛みではないはずです。

 

 

身体の痛みを、自分のものとは感じていなかったのかもしれません。

 

 

 

むすび

みなさんは、赤い薬を飲みたいですか?

 


私は、仏教諸派が長い歴史の中でつくってきた、戒律、規範、ルールにはあまり興味がありません。

 

 

肉を食べてはいけないとか、女人に触れてはいけないとか、清く正しく生きねばならない、みたいなことはどうでもいいです。

 

 

これらの規範は、そのときどきで、組織を維持する観点から必要があって生まれたものだと理解しています。

 

 

お坊さんのありがたい説法とかも、あまり興味ありません。

 

 

私が仏教に惹かれるのは、この「赤い薬」です。

 

 

自ずから生じてくる悩み、苦しみ、痛み。

それらを無意味化してしまうメソッドが、瞑想修行というかたちで、提示されています。

 

 

「赤い薬」は、すでに発明されているのです。

 

  

なぜ今、仏教なのか――瞑想・マインドフルネス・悟りの科学

なぜ今、仏教なのか――瞑想・マインドフルネス・悟りの科学

 

 非常に読みごたえがありました。ぜひ手にとって見てください。

 

 

PAO