瞑想Hack

瞑想を始めたい・続けたい人のための瞑想ライフハック・ブログです。瞑想に取り組む上で知っておきたいことを、脳科学や仏教の視点も交え、わかりやすく解説しています。

慈悲の瞑想!その驚くべき効果とは?

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他者の幸せを願う「慈悲の瞑想」。正直、怪しさはありますが、メンタルに大きな効果があることが、脳科学レベルで明らかになっています。慈悲の瞑想のやり方や、その驚くべき効果についてご紹介します。

 

 

 



はじめに

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瞑想には、さまざまな効果があるとされています。

 

 

☑️集中力がアップする
☑️ストレスを感じにくくなる
☑️睡眠の質が上がる

 

 

瞑想の効果は、脳科学的な観点からも実証が進んでいます。

 

 

最近では、若い層の間でも、気軽に瞑想を生活に取り入れる人が増えてきました。

 

 

瞑想にはさまざまな種類があります。

 

 

その中でも、心身の健康のため、またメンタル疾患の治療に効果がある瞑想として「慈悲の瞑想」というものが注目を集めています。

 

 

慈悲の瞑想??

 

 

簡単にいうと、他者の幸せを願う瞑想です。

 

 

これをはじめてを聞いた方は、「なんか怪しい。。」「宗教くさい。。」などと思うかもしれません。

 

 

宗教やスピリチュアルにアレルギーのある方は、ちょっと嫌がるかもしれません。

 

 

私も、正直、少し抵抗があります。

 

 

でも、この慈悲の瞑想、脳科学の観点から研究が進んでおり、メンタルに大きな効果があることがわかっています。

 

 

一度、だまされたと思って、やってみると良いです。

 

 

 

慈悲の瞑想のやり方

心の中でとなえるフレーズ

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慈悲の瞑想は、とてもユニークな瞑想法です。

 

 

一般的な呼吸瞑想では、まずはじめに、落ち着いた環境を確保し、クッションやイスの上に座り、目を閉じて、姿勢を正します。

 

 

慈悲の瞑想も、ここまでは同じです。

 

 

しかし、ここから、決まったパターンのフレーズを、心の中でくりかえしていきます

 

 

あなたが安全でありますように

あなたが幸せでありますように

あなたが健康でありますように

あなたが心安らかに暮らせますように

  

 


安全、幸福、健康、平静という4つの要素が1セットになっています。これが基本パターンです。

 

 

こんどは、主語を変えていきます。

 

 

あなた」から、「」「私の親しい人」「私の嫌いな人」「生きとし生けるもの」というふうに、対象を変えていきます。

 

 

私が安全でありますように

私が幸せでありますように

私が健康でありますように

私が心安らかに暮らせますように

 

私の親しい人が安全でありますように

私の親しい人が幸せでありますように

私の親しい人が健康でありますように

私の親しい人が心安らかに暮らせますように

 

私の嫌いな人が安全でありますように

私の嫌いな人が幸せでありますように

私の嫌いな人が健康でありますように

私の嫌いな人が心安らかに暮らせますように

 

生きとし生けるものが安全でありますように

生きとし生けるものが幸せでありますように

生きとし生けるものが健康でありますように

生きとし生けるものが心安らかに暮らせますように

 

 

ここにあげたフレーズはあくまで一例で、他にもさまざまな言い方があるようですが、基本的に、どれも自分や他者の幸せや健康を願うものとなっています。

 

 

背景にある考え方

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このフレーズを聞いて、みなさんは、どのような印象をもちますか?

 

 

もともとは、伝統的な仏教に由来しています。

 

 

特に仏教の世界に親しんでいる方でなければ、「宗教くさい」「怪しい」と思うのも無理はないかもしれません。

 

 

なんか呪文みたいですよね。

 

 

「私が幸せでありますように」なら、まだいいですが、

 

 

「私の嫌いな人が幸せでありますように」というのは、なかなか抵抗があるかもしれません。

 

 

あの大嫌いなパワハラ上司、思い浮かべただけで嫌な気持ちになったり。。

 

 

そんな人の幸せを願うことって、正直難しかったりします。

 

 

「生きとし生けるものが」とかっていうのも、上から目線ですし、偽善者のような感じがしなくもありません。

 

 

まあ、それはさておき。

 

 

背景には、伝統的な仏教の考え方があります。

 

 

仏教には、四無量心(しむりょうしん)ということばがあります。

 

 

四無量心とは、

 

他者の不幸な事態を幸福に置き変えようとする慈(loving-kindness)、

 

他者の困難や不満足なことがあったとき問題を解決したり、取り除こうとする悲(compassion)、

 

他者の幸せを喜び、長く続くことを願う喜(empathic joy)、

 

他者の幸福、不幸を平静な気持ちで見守る捨(equanimity)という慈悲喜捨のことをいう。

引用元:『マインドフルネス -基礎と実践-』貝谷久宣・熊野宏昭・越川房子編著、日本評論社、2016年。以下同じ。

 

 

慈悲の瞑想の実践では、他者の幸せを願う4つのフレーズを繰り返すことで引き起こされる慈しみの感情を経験し 、他者と自分の共通性に気づくことで、社会的つながりの感覚を高めることができる。

 

 

4つのフレーズを心の中でくりかえすことで、慈悲喜捨の心が生じ、その感覚を経験できるように設計されています。

 

 

 

慈悲の瞑想を行う上での注意点

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慈悲の瞑想を行う上での注意点です。

 

 

ただ単にフレーズを頭の中で機械的に繰り返すのではなく、フレーズによって変化する身体感覚、感情、 思考を認識し、受容し、よく調べ、自分自身と同一視しないことが重要とされる。

 

 

このポイントはマインドフルネス瞑想と共通しており、通常は慈悲の瞑想とマインドフルネス瞑想の実践をセットで行われる。

 

 

このフレーズを心の中で繰り返していると、いろいろな思考や感情が生まれては消えていきます

 

 

私も実際にやってみると、

 

 

何にも感じないなあ」「なんかウソっぽいなあ

 

 

みたいに思うこともありますし、

 

 

本当に少し胸が熱くなってくることもあります。

 

 

そうやって生まれてくる思考や感情。どんな感情でもいいので、それで良いとかダメだとか思わず、ただありのままに認識していきます。

 

 

慈悲の瞑想では、他者にしてもらったことや、私の良いところを思い出したり、自分が幸せを願うように、他者の幸せを願っていることに注意を向ける教示がある。

 

 

それは、 普段は意識しない他者の美点や幸せへの願い、苦難や悩みに注意を向けることで、自分と同じように他者も幸せを願っていて苦痛や悲しみを経験することを洞察し、他者とつながっている感覚を培うためである。

 

 

自分や親しい人の幸せは願うことがあっても、「自分の嫌いな人」とか「生きとし生けるもの」の幸せを願うことって、ふつうはなかなかないですよね。

 

 

自分の幸せを願うように、その延長で、普段は意識しない他人の幸せを願ってみる

 

 

自分のことをいつも攻撃してくるあの上司も、 もしかしたら自分と同じようなことに悩んでいて、問題を解決したいと思っているのかもしれませんよね。

 

 

まあ、嫌いな人の幸せを願うというのは、特に難しかったりするので、あまり無理はしなくてもいいのかもしれません。

 

 

 

慈悲の瞑想の効果

愛情深くなる

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さて、慈悲の瞑想、なかなか怪しいものではあるのですが、その効果は、科学的な裏づけがちゃんとあります。

 

 

慈悲の瞑想が脳神経活動に与える影響について、fMRIを用いた研究によって明らかにされています。

 

 

fMRIとは、脳内の活動状況を、画像で見ることのできる機械です。

 

 

以下、論文からの引用です。

 

 

6時間の慈悲の瞑想のトレーニングをした後、思いやりの感情を起こさせるようなビデオをみる。

 


愛情をつかさどるといわれる脳内の右内側前頭眼窩皮質(rmOFC)という部位が、トレーニングをしない場合に比べて、活性化しやすくなることが明らかになっている。

 

 

また、慈悲の瞑想を1日2時間以上かつ5年以上続けた熟練者は、1週間行っただけの初心者よりも、他人の幸せな顔を見たときに左前帯状回皮質(IACC)が活性化されやすく、初心者では活性化されない右下前頭回(rIFG)、右楔前部(rPrecuneus)が活性化されるという知見もある。

 

 

それぞれの脳の部位の機能から解釈すると、慈悲の瞑想の実践を積むことで、他者の幸せから肯定的感情を経験し、自分の記憶と照らし合わせながら共有できるうようになることを示唆する結果といえる。

 

 

論文なので少し難しい表現がされていますが、ざっくりいえば、慈悲の瞑想を続けると、愛情深くなるということですね。

 


例えば、定食屋さんで、知らない人がご飯を美味しそうに食べていて、幸せそうな顔をしている。

 

 

そんな表情を見て、「なんか自分までほっこりして、幸せ」みたいになるという感じでしょうか。

 

 

慈悲の瞑想によって、そんな力が培われるというわけですね。

 

 

 

アンチエイジングf:id:pao-elephant:20181202111805j:plain

慈悲の瞑想の効果に関する研究は、まだあります。

 

 

慈悲の瞑想の効果は、DNAの末端構造であるテロメアにも及ぶことが知られている。

 

 

慈悲の瞑想を4年以上毎日か、3日間リトリート(瞑想センターでの集中トレーニング)を1度以上経験したことのある人は、瞑想の経験がない人よりも、テロメアが長いことが明らかにされている。

 

 

テロメアが短くなることは、細胞の老化と関わっているとされており、慈悲の瞑想が長生きに関係する可能性を示唆している。

 

 

テロメアとは、DNAの端っこの部分のことで、細胞分裂のたびに短くなるため、細胞の老化に関係すると考えられています。

 

 

ようするに、年をとると、テロメアが短くなるのです。

 

 

この研究は、慈悲の瞑想が、細胞の老化を防ぐアンチエイジング効果をもつ可能性を示しています。驚くべきことですね。

 

 

ただし、この効果は女性のみで、男性には認められていないそうです。残念。。

 

 

女性のみなさんには、慈悲の瞑想、おすすめです!

 

 

 

おわりに

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慈悲の瞑想は、統合失調症やうつ病など、さまざまなメンタル疾患の治療に応用され、いくつか症状の改善に効果をあげた事例なども報告されているそうです。

 

 

今後も、臨床の現場などさまざまな場面で応用されることが期待されます。

 

 

しかし、この慈悲の瞑想、実際にやってみるとわかるのですが、けっこう難しいです。

 

 

まず集中力が必要ですし、心の中でこれだけ多くのフレーズをとなえるだけでもけっこう大変。

 

 

さらに、それに伴って生じる思考や感情をありのままに、観察するとなると、なかなか初心者には難しいです。

 

 

頭の中が混乱したりして、なかなか長い時間できなかったりします。

 

 

人によって、すんなりできる人と、そうでない人がいるかもしれません。

 

 

本格的に取り組む場合は、ぜひ一度専門家のアドバイスを受けるのが良いと思います。

 

 

なお、このエントリは、「マインドフルネス -基礎と実践-」(貝谷久宣、熊野宏昭、越川房子著、日本評論社、2016年)を参考に執筆しています。

 

 

マインドフルネス 基礎と実践

マインドフルネス 基礎と実践

 

 

※このエントリは、2018年12月11日に書いた記事をリライトしたものです。

 

 

パオ